高齢者支援分野における国際協力のあり方について - 39 - 高齢者支援分野における国際協力のあり方について ―タイ「要援護高齢者等のための介護サービス開発 プロジェクト」を中心として― 榎本 芳人 1. 更にタイには1000万人以上に及ぶ貧困層がいるとされ(全人口は6600万人)、高齢者のケアが行き届かないのではとの懸念されている。 今後、政府レベルで高齢者へのサービス、家族支援、シルバー雇用の促進、災害時高齢者援助などを検討している。 タイ イ. 笹川平和財団, タイの高齢化はASEAN諸国の中では群を抜いて進んでいる。タイ政府は高齢者ケアの担い手は「家族とコミュニティー」が根幹である方針を打ち出し、文化・社会の伝統に依存する姿勢だ。一方、人びとの日常では「高齢者ケア」はどのように理解され、実践されているのだろうか。現地でのフィールドワークから見えたことを2回にわたって報告する。. タイで「高齢者ケア」について質問すると、答えに困られてしまう。日本では「老人ホーム」や「介護保険」といった設備や制度を思い浮かべるが、タイではどちらも一般的ではない。電車内に「優先席」はない。設備や制度が高齢者を支えるのではなく、家族やコミュニティーがその担い手だ。タイ人の多くは「高齢の両親を介護施設に入れたら、親不孝で冷酷だと周囲から非難されてしまう」という。, 近年のバンコクでは、外資を含む民間企業や個人がごく一部の富裕層をターゲットにした高齢者介護施設を次々に開設している。介護施設としての政府への登録義務はない。医療行為が伴わなければ、ホテルやサービスアパートメントとして介護施設の運営が可能だ。そのため誰も正確な施設数を把握できないが、高齢者介護施設と名乗るものは市内だけでも100軒以上存在する。, 一方、タイには中央省庁が管轄する介護施設が12カ所ある。経済的に恵まれず身寄りのない人を保護する施設としての色が強く、高齢者に限定していない。介護施設がタイ人にとって一般的でないのは、「恵まれない人が最終手段として行く場所」というマイナスイメージが根強いことも考えられる。, 国営施設のうち最も古いのは1953年にバンコク郊外に設立されたBan Bang Khae Social Welfare Development Center for Older Personsだ。有料のバンガローや集合住宅型の個室のほか、無料の大部屋がある。さらに入所者の自立度によって設備が分かれており、重度の認知症の人が居住する建物は監獄をイメージさせるほど重厚な造りになっている。, Ban Bang Khae Social  Welfare Development Center for Older Persons。重度の認知症の高齢者が生活する建物の内部。, 施設の定員は約200人で満室状態が何年も続いている。スタッフによると、有料区域ではプライバシーを主張しあう入居者間のトラブルが絶えないという。筆者が見学した際、施設内にはどこか緊張感が漂っていたのが印象に残っている。, 仏教文化が生活に浸透しているタイでは、寄付は後世のために徳を積むとして日常的に行なわれている。施設の運営には政府から予算が配当されているが、その額を超える寄付金と様々な物資が各地から集まる。確かに、施設の玄関には紙おむつや生活用品が山積みになるほど届いていた。このほかにも、多種多様なアクティビティが外部からの支援で行われている。, 地元企業と農学部の学生の支援を受けて施設の入居者が栽培するオーガニック野菜はfacebookで販売され毎回売り切れだ。, 北部都市チェンマイにあるThammapakorn Social Welfare Development Center For Older Personsは、貧困かつ家族だけでなくコミュニティーにも一切の身寄りがない人だけが入居できる完全無料の施設だ。衣服、食事、医療すべてが施設から提供される。個室はない。介護が必要な入居者のための棟には、大学卒業資格を持った専門職員が24時間態勢で勤務する。, 元気な高齢者はできることはすべて自分で行うだけでなく、施設の運営の一部にも参加する仕組みだ。敷地内は清潔に保たれ、スタッフは笑顔で明るく、入居者がリラックスした表情で自分の時間を豊かに過ごしていることがうかがえた。, 日本は多大な時間と資金を費やして介護保険や高齢者施設などを整備してきたが、タイではまだ普及していない。手厚い制度は多くのことを可能にした一方で、高齢者を家族やコミュニティーが支えるという日本にもあった価値観を忘れさせてしまっていないだろうか。, 援助や研究の文脈でタイの高齢化が語られるとき、何が課題でどのような制度が「不足」しているのか、という議論が中心になりがちだ。だが、不足を指摘する前に、タイに「あるもの」は何かという視点を持ってみると、違った世界が見えて来ないだろうか。, 少子高齢化 タイで「高齢者ケア」について質問すると、答えに困られてしまう。日本では「老人ホーム」や「介護保険」といった設備や制度を思い浮かべるが、タイではどちらも一般的ではない。電車内に「優先席」はない。設備や制度が高齢者を支えるのではなく、家族やコミュニティーがその担い手だ。タイ人の多くは「高齢の両親を介護施設に入れたら、親不孝で冷酷だと周囲から非難されてしまう」という。 近年のバンコクでは、外 … Security: MSDHS):高齢者施策を含むコミュニティの関与する福祉の所管官 庁。国家高齢者委員会(National Commission on the Elderly)の事務局も担 当している。 タイ:基礎情報 基本データ 人口:6,678万人(2012年) 面積:51万平方キロメートル(2011年) 20歳以上 ii. 紙でありたいと思っています。皆様に興味を持っていただける広報ムリーな情報発信や提言を通して、各事業所等の取組みの紹介、タイ高齢者福祉にとらわれることなく、 去る4月 14日、熊本県を中心に 最大震度7の地震が襲いました。 タイのバンコクで日本人向けフリーペーパーを発行するタイ自由ランドが、タイ料理店や日本料理店など、グルメ情報を提供しています。タイで起業する個人の会社設立、労働許可証取得、毎月会計,さらに第2の人生をタイで過ごすロングステイ、定年支援のビザ取得も行っています。 また、日本においては看護・介護分野における外国人労働の受け入れが行われてい このような高齢者人口の増加に対応して、タイ政府は「2003年高齢者法」「高齢者に関する第二次国家計画(2002-2021年)」に基づき、高齢者の保健医療・福祉の向上に取り組んでいます。 キーワード: タイ, 高齢化, 高齢者介護, 介護の社会化, 介護の拡大家族化 ジャーナル 認証あり 2019 年 60 巻 2 号 p. 110-123 高齢者ケアに関しては2017年より11回にわたりタマサート大学やタイ内務省と共同でタイの自治体幹部向けの日本での高齢者福祉研修を実施してきました。(別添4 参照) タイの高齢者福祉(3) プロの在宅福祉サービスが必要か? インフォーマルがプロの福祉を代替? (ピュアな「タイ型介護モデル」の追求?) まずは、インフォーマル資源を「医療」に、より 積極的に組み込み、その延長線上で高齢者 介護にも対応? タイに居住している、または入国法により一時的にタイに入国することを許可 されている iii. 日本の在宅医療だけでなく、海外の在宅医療に注目するシリーズ連載「海外の在宅医療」。最終回となる第10弾はタイです。政府による介護制度がないタイでは、家族とコミュニティが在宅介護の担い手となっています。地域でのケアを実現しているタイの在宅医療・介護についてご紹介します! 2. の ライフス タイル改善の必要性が報告されてい る 4} 。 したがっ て、高齢者の社会生活の自立を励ま し支えていくためには、彼らの ライフス タイル に 関連する要因の解明や地域性 5, の検討が重要でか つ 緊急な課題とされている。ところが、高齢者を 註:国際福祉機器展2008には16カ国・530社から25千の商品アイテムを展示; タイ人への介護教育と介護士資格認定 今後のタイ国での介護対策と海外での雇用増加。日本はカリキュラムや講師で支援。 タイヘイ クッキング デポの「高齢者施設向け 福祉メニュー」をご紹介するページです。 ご高齢者さまに十分な栄養がとれるよう、栄養士が作成した献立の食材をお届けするタイプのメニューです。 はじめに 世界的に人口高齢化が進行している。 タイ王国は国土の大部分が熱帯モンスーン気候に属し,地方によって季節が異なります。バンコクでは,11月から2月までの乾季,3月から5月までの暑季,6月から10月までの雨季の3つの季節に分けられま … 2014年9月タイ・チェンマイ高齢者・福祉施設視察Report by Y.Yamanaka 期間:2014年9月7日(日)~11日(木) 主催:(現地)Hiro Asian Project、Chiangmai 為替:1バーツ≒3.4円 ※チェンマイ タイ第二の邴市、タイの京邴ともいわれる盆地の中に四角 い田の字エリア。 日本とタイの高齢者問題の共通点は…? 介護の先進国」と言われている日本が、 タイから学ぶべきところはあるのか…? 北タイ・パヤオで活動する中、日々の驚きや発見を “関西のおばちゃんのノリ”で毎回発信していきます。 次の有資格者であることを示す証明書(外国人事業法第16条) i. サービス開発プロジェクト(L-TOP), コミュニティにおける高齢者向け保健医療・福祉サービスの統合型モデル形成プロジェクト(C-TOP). タイ 1社会保障施策の概要 タイの社会保障施策は、①老齢年金、医療保険及び 失業保険を主な内容とする社会保険制度、②高齢者、 障害者、児童、貧困者などに福祉サービスを提供する 社会福祉施策、③健康増進や感染症対策などの公衆 タイ投資委員会Board of Investment【BOI】では高齢者向け施設への優遇を 発表していますが、まだ不十分な環境が続くとしている。 “Baan Bang Kae1&2は現状受け入れが満杯になっていて長い待機者リス … 名古屋の介護福祉センター友では、介護保険、介護サービス、移動支援、相談支援などを提供中。高齢者・障害者の方々の生活をお手伝い致します。求人募集も行っておりますので、お気軽にお問い合わせ … アジア 高齢者施策 五十嵐久美子 厚生労働省 大臣官房 国際課国際協力室国際協力専門官 高齢者福祉 江口 隆裕 筑波大学大学院ビジネス科学研究科研究科長 協力企画 湯浅あゆ美 jicaタイ事務所所員 評価分析 佐藤 純子 株式会社タック・インターナショナル主任研究員 タイ王国においては、2001年に高齢者人口(65歳以上人口)が7%に達し、国連の定義による“高 齢化社会”に突入しました。 また、高齢化のスピードを示す指標である高齢化率が%から7 14%に jicaはこれまで、タイでは所管官庁が別々で、完全に縦割りであった「医療・保健」と「福祉」のサービスを統合する仕組みづくりを経て、地域でのケアマネジメントや介護技術の導入といった高齢者介護に特化したプロジェクトを実施してきました。 戸籍、タイの住民票、または入国法による一時入国許可証のコピー ウ. 現在、タイの高齢者施設についてはJICAの資料によると、関係省庁が直営している高齢者要介護施設がタイ全国で12施設あり、1400人ほどが利用している。そのほか、自治体運営の老人ホームが13施設 … 国際医療福祉大学 医学部 助教 choomplang nattadech: 2: 11/5(木) 18:00~19:30 ・講義:アジアの高齢者福祉・介護の動向と日本 ・講義:タイの高齢者福祉・介護の過去・現在・未来: 国立保健医療科学院 主任研究官 大夛賀 政昭 国際医療福祉大学 成田保健医療学部 1.はじめに 近年、アジア各国で高齢化が問題となっており、中でもタイの高齢化は急速に進行 している。 3. タイの高齢者介護と医療に関する考察 車井浩子1 金子勝規.